レースまでの準備アドバイス
【レースまでの準備】


ラフウォータースイムの魅力

 『一度は海で泳いでみたい!』、『海で思いっきり泳いでみたい!』、そう思ったことはありませんか?
それが実現できるのがラフウォータースイムです。 この競技は砂浜からスタートし、海に入ります。泳ぎ始めるとプールとはまったく違う世界が広がっているのに驚くことでしょう。海中に射し込む太陽の光の中を心地よい波に揺られながら魚と一緒に泳ぎ、マイペースでゴールを目指す。
海から砂浜へと上がり、応援の人々のあたたかい拍手に後押しされ、ゲートをくぐってゴール。この瞬間の何とも言えない達成感や充実感はゴールした人のみが知ることができる最高の贈り物。プールでは絶対に味わうことのできない魅力たっぷりのスポーツだといえます。
 そんなラフウォータースイムはレースというよりも楽しみながら完泳をめざす人々が大半を占めています。
したがって緊張した雰囲気はほとんど感じられず。年代も小学生から80歳ぐらいの方まで、また、何らかのハンディキャップを持った方など、さまざまな人たちがこのラフウォータースイムを楽しんでいます。もちろん制限タイムなどありません。
泳法も自由で、平泳ぎでも背泳ぎでも何でもOK! 自分の得意な泳法で楽しむことができます。
誰もが楽しく参加できるのがラフウォータースイムの魅力です。

●海のレースを楽しむテクニック


レース選びのポイント
(1)参加するレースを選ぶ
ビギナーにとって「レース選び」はとても重要です。さらに初めてのレースとなれば、そこでの体験がその後のスイミングライフを左右することは間違いありません。レース選びは大切な分岐点となるので、慎重に選びましょう!
では絶対に外せない、レース選びの際の重要なポイントを以下に挙げてみます。

■透明度の高い海であること
おすすめするのは九州や沖縄で行われるレースです。特に南の島で行われるレースは気候も温暖で海の透明度も高く、熱帯魚と一緒に泳ぐなんて夢のようなことが現実のものとなるでしょう。
■比較的参加人数の少ないレースであること
参加人数も比較的少ないと、参加者同士はもちろん、地元の人々との間にも温かな交流が生まれやすく、ほのぼのとした雰囲気を味わうことができます。
■レスキュー体制の整ったレースであること
参加人数が少ないほどレスキューの目が行き届きます。つまり、それだけ危険度も下がり、安心して泳ぐことができるわけです。旅行気分で参加すれば、きっと良い思い出になることは間違いありません!

(2)種目(距離)を選ぶ
最初は無理をせず、できるだけ短い距離を選ぶことがポイントです。プールでは問題なく泳げているし、せっかく出場するのだから長めの5kmにチャレンジ_なんて簡単に考えていると後でつらい思いをすることになりますよ!実際の距離よりも長く泳ぐことを覚悟して種目を選択してください。レースによっては800mや1500mの種目が設定されています。ビギナーはまずは気持ちに余裕の持てる比較的短い距離でチャレンジすることをおすすめします。

(3)仲間と一緒に参加しよう
初めてラフウォータースイムに参加する人は、水泳仲間と一緒にエントリーしましょう。 人数は2人よりも3人、4人とグループエントリーすればなおベター。周囲に知り合いもなく、レース会場に1人でいるほど心細いものはありません。
また、「友人も一緒に泳ぐんだ_」と思えば、トレーニングにも熱が入り、お互いにがんばることができるはずです。
レース中でも、できれば泳力レベルの同じ仲間と一緒に泳ぐことをすすめます。 友人が横を泳いでいれば心強いし励みにもなる。完泳する確率はグ〜ンとアップします。ただし、あまり人数が多すぎるとバラバラになってしまう可能性もあるので気をつけましょう。


トレーニングの方法

クロールが一番の省エネ泳法
 クロールが一番の省エネ泳法 レース参加が決まり、エントリーの手続きが終わったら、さっそくトレーニング開始です。泳法はクロール、平泳ぎ、横泳ぎ?など何でも結構ですが、できればクロールで行いましょう。なぜなら他の種目よりも比較的少ない労力で高い推進力を得ることができる省エネ泳法だからです。
 しかし、問題点もあります。それはサイドで呼吸を行う泳法であるため、前方の確認ができないこと。コースロープもなく、また底にコースがペイントされていない海ではまっすぐに泳ぐことはまず不可能です。そこで考えられるのがヘッドアップクロール。ただし、初心者にとってはかなり高度なテクニックです。ヘッドアップすることでペースを崩し一気に体力を消耗する可能性があるためあまりおすすめできません。
 ビギナーにおすすめするのは平泳ぎです。平泳ぎは前で呼吸を行うため、前方確認が比較的容易にできるからです。したがって、クロールと平泳ぎを併用しで完泳を目指す方法がよいと思います。エントリー種目の距離と同等の距離をクロールで泳ぎきれるようにトレーニングメニューをこなし、その他に平泳ぎのトレーニングを加えると効果的でしょう。
 また、海に入ると波の影響で一回顔を上げただけでは前方を確認できないことが多々あります。平泳ぎで、顔を上げたまま泳げるようにトレーニングしておけば、レースに役に立つことは間違いありません。もうひとつ欲をいえば、クロールは両サイドで呼吸ができるようトレーニングすること。左右の状況も確認でき、他の泳者との接触を防ぐことができ便利です。さらに首の凝りも軽減できる効用もあります。左右の呼吸ができても、できなくても、左右に顔を上げられるようにトレーニングしておくとよいでしょう。
 インストラクターからテクニックを伝授 一般開放している公共のプールやスポーツクラブで自主的にトレーニングするのもひとつの選択です。しかし、泳ぎにあまり自信がない人については、水泳のインストラクターに指導してもらうことをすすめします。というのも泳ぎをマスターするための最重要ポイントがテクニックにあるからです。我流では余分な力が入ったフォームになりやすく、また、自分自身でフォームをチェックすることもできません。理想的にはオープンウォータースイムを経験しているインストラクターからテクニックを伝授してもらうことです。力強い味方となることは間違いなく、いろいろと相談に乗ってくれるはずです。

(1) 距離に合わせたトレーニング
トレーニング開始にあたっては、まず出場する種目の距離に合わせたトレーニングメニューを考えましょう。ここでは、1500mに出場する場合のトレーニング例を紹介します。
 
距離を分割して泳ぐ
1500mに出場する場合、1500mを分割して行うことすすめます。1日目に1)、次には2)、というように、その日によってメニューを変えて行うことで、より新鮮な気分でトレーニングができます。最初から無理をすることはないのです。距離や本数が多くてきついのならもちろん減らしても構いません。徐々に増やして行けばよいのです。
また、長い距離を泳ぐのが苦手であれば、1)のトレーニングがこなせるようになってから、1)のトレーニングに移るというようにし、確実に泳力アップを目指す考えでもよいでしょう。

[1500mに出場する場合]
1)50m×30本
2)100m×15本
3)150m×10本
4)500m×3本
5)750m×2本
6)1500m×1本

 それから大切なのはレストタイム(休憩時間)です。ゆっくりとした一定のペースを守って泳げるようになるまでは、壁についたら10〜15秒程度休んで次に移りましょう(休みが多すぎると瞬発力のトレーニングになってしまうので注意)。10〜15秒のレストでは苦しい場合、オーバーペースになっていると考えてください。その場合、休憩時間を増やすのではなく、泳ぐペース(スピード)を落とすことを心がけましょう。

[スピードアップすることではなく、泳ぎきること]
 つまり、ペースを一定に保つことがトレーニングの最も大切なポイントなのです。プールには必ずペースクロック(タイマー)があります。いつもタイムを確認しながら泳ぎましょう。このようにトレーニングを続けていけば自然と1500m泳げるようになります。
 そしてさらに、もう少しレベルアップするには 上記のメニューをこなせるようになり、さらに泳力を高めたい。このレベルまで到達した人は、まず1500mのタイムを計測してください。そのタイムを基本として、泳ぐ本数で分割し、タイムを割り出すのです。例えば1500mを30分で泳げたとすれば、50mを1分で泳げるという計算がなりたちます。その場合、[50m×30本]を1分10秒サークルでまわし、平均50秒〜55秒程度で帰ってこられるようにがんばりましょう。[100m×15本]ならば2分10秒、[300m×10本]ならば6分10秒のようにサークルタイムを設定します。しかしこの場合、距離が多くなると共に休みも多くなることも考えられます。先ほども述べたようにレストタイムは10秒〜15秒が理想!あまりハードになり過ぎない程度(心拍数を一定に保てる程度)にサークルタイムを自分なりにアレンジしてみましょう。心肺機能の向上に伴い、平均タイムは徐々に縮まり、結果的に泳力はアップするでしょう。


以上がメインのトレーニングになります。
その他に、補助的なトレーニングを入れて行けば更に効果的。板キックやプルなど、バランスよくメニューにとり入れて行くとよいでしょう。

(2) 1時間でできるトレーニング
距離に合わせた分割トレーニングを含めた、1時間程度でできるトレーニングメニューを2種類紹介します。
トレーニングがマンネリに陥らず、さらに楽しく続けることができるでしょう。


トレーニング内容

例1

1)ウォーミングアップ10分程度
(水中ウォーキング、ストレッチ、けのび、面 かぶりキック、イージースイム等)
2)板キック 25m×4本
3)プ ル   50m×4本
4)メイントレーニング(上に記載した距離の分割トレーニング)
5)クールダウン10分程度(水中ウォーキング、イージースイム、ストレッチなど)

例2

1)ウォーミングアップ10分程度 (水中ウォーキング、ストレッチ、けのび、面 かぶりキック、イージースイム等)
2)メイントレーニング (上に記載した距離の分割トレーニング)
3)板キック  25m×4本
4)プル    50m×4本
5)クールダウン10分程度 (水中ウォーキング、イージースイム、ストレッチなど)


[例1]、[例2]はほとんど同じ内容ですが、少し違いがあります。
[例1]はキック、プルを先に行い、からだを慣らしてからメイントレーニングにはいるごく一般 的な方法です。
[例2]は、よりメイントレーニングに集中する方法で、その後補助的なトレーニングとしてキック、プルを行うというものです。好みで選んでください。(私個人としてはけっこう例2の方が好きですね!)

 また、時間に余裕があれば平泳ぎのトレーニングなども採り入れてください。前述したように、平泳ぎは前で顔をあげて呼吸するのでオープンウォーターのスイムレースでは進行方向の確認や周囲の状況確認、また息が上がってしまった時などに効果的な泳法です。ぜひ、修得しましょう!
※パワースポーツではオンラインプログラムをお勧めしています。

海でのレースを想定した泳力アッププログラムです。自分ひとりでのトレーニングではいつもメニューが同じでどうしても単調になりがちです。そんな悩みを解消するのがこのプログラム。個人の泳力レベルにあわせフォーム練習、スピード練習、泳ぎこみなど・・・
 そのトレーニングによってテーマを決めて1回1回のトレーニングを楽しみながら泳力アップできるように組み立ててあります。トレーニングの方法をもっと詳しく知りたい、もっといろいろな方法でトレーニングをしたい、自分にあったサイクルタイムを知りたいなど、ひとりひとりの思いに応えます。ぜひこのプログラムを始めてみませんか?
詳しくは http://www.teampowersports.jp/


【レース当日】