セルフ セルフディスカバリー
クロスマウンテンバイク参戦記
井口 信吾

 Self Discovery Adventure Race参加記(9月22,23日)
 DONUTS by Nature Eco Act.虚無 井口 信吾さん


いやぁー、本当にすばらしいレースでした。 企画もさる事ながら、努力だけではどうにもならない、天気まで味方に付けてのSelf-Discovery Adventure Raceになりました。 昨年から始まったこのシリーズ、今年は、新たに100kmMTBと42kmマウンテンマラソンが加わり、シリーズ戦として、よりチャレンジングな戦いとなりました。

前哨戦
7月に行われたMTBとマウンテンマラソンには、2日間で600人程度の参加者がいたのではと思われるほど盛大でしたね。 私も両種目に参加して、ロケーションの素晴らしさ、企画、運営全てに感動しました。 何よりも両種目に完走できたのが、最高の喜びでした。

最高の見晴らし
行けども、行けども、終わらない林道と、遠ぉーくに見える、山を斜めに切り裂くような林道を目にしながら、何時になったらこのレースの終盤を迎えるのかと不安が頭を過ぎりました。 一時は完走も諦めかけましたが、あのすばらしい景色が自分を救ってくれたのは間違いないと思います。


Adventure Race本番
さて、今回のAdventure Raceは、前のレースで一人占めした苦しさと、感動をチームメイトと共有できるチャンス。 やってくれました!! 我がクラブからは3チームのエントリー、残念ながら怪我や、体調の問題で当日は2チームの参加となりましたが、2チーム共に完走。


早起き
朝、前日からの冷え込み(放射冷却って言うのでしょう)で、テント泊には一寸肌寒さを感じながら、3時に合わせた目覚まし時計も何の役にも立たず、2時過ぎには目が覚めてしまって、早々とテントの中でごそごそと活動を開始、昨夜寝る前に、リュックの中身は充分確認したにもかかわらず、又もやテント内は混乱状態、何回か出し入れを繰り返したものの、結局何も変わる事無く、3時の起床時間を迎えた。廻りのテントもごそごそし始めた頃、私は、いち早くコンロに火を付け食事の準備にかかった。レース前の食事は人それぞれで、パンで済ます者、前夜中に準備しておいたサンドイッチを食べる者、レトルトのお粥を食べる者と、一見何か思想を持っているかのようにも見えるが、実際は何も考えていないのが事実である。私はって言うと、やはりご飯が一番と暖めるだけのご飯と、レトルトの八宝菜とビタミン剤で力をつけた。


スタート準備
朝6時のスタートを前に、4時半過ぎ我々がスタート地点に着いた時には、気の早いチームと言うより、前夜緊張で余り眠れなかった人達が既に大勢集まっていた。5時を過ぎる頃からか、良いスタートポジションをとる為、各チームが自転車を置き始めた。我々もすぐに追い抜かれるので意味が無いのは解ってはいたものの、負けまいと前から2番目辺りに自転車を置いた。スタートが迫って来ると続々とスタートラインに人が並び始めた。
「おぉー、一寸緊張しているぞ」レーパンに半そでのチーム、上下、真冬支度のチームとまちまちなのが一寸不思議が風景。


MTBスタート
スタートから1〜2km程度は有ったのか?一般道路を先導車に導かれ、いよいよ林道へ突入、初めの内は結構走り易い広い林道で、力の有るチームは、どんどん追い抜きにかかった。途中から本格的な林道に変わり、その頃には60を超えるチームはバラバラになってしまい、前も後ろまばらになり始めた。大体この辺で、おおよその順位 が決まってしまうようで、以降は、特別トラブルが無い限り、そうは抜かれる事も無いので、とにかくトラブルを起こさないようにとお互い気を使いながらのレースとなった。
標高1000m付近をスタートし、500m近く登っただろうか、峠で最初のチェックポイントを通 過、ここからは一気に下り、第一Stageのゴール地点である三浦ダムに向かった。第一Stageにゴールした時には、ラックには隙間が無いくらいの自転車(多分6,70台)が既にゴールしていた模様。


沢登り
15分のトランジットタイムの間に、ウエットに着替え、まだまだ余裕を見せての第二Stageのスタート。スタート直後、長い真っ暗のトンネルを抜け、すっかり涸れ上がったダム湖のほとりを通 り沢に向かった。
途中霜で真っ白になった木の橋を恐る恐る渡り、沢の取り付きに到着した。一気に土手を滑るように下り、少し川原を進むとすぐに行く道を阻まれ、仕方なく恐る恐る沢に突入、初めは冷たさが肌を突き刺すような感覚を覚えたが、何時の間にか、全く感じなくなっていた。とにかく本流を上へ上へと進む事1時間半、林道にかかる橋の上にゴールが見えてきた。


トレールラン
窮屈なウエットを着ていたせいか、思ったより汗をかいたようで、ここで水を補給し、補給食も充分捕った。橋を後にし、トレールランのStageに入った。スタート後すぐに林道を上りはじめ、この登りが何処まで続くのかと不安を抱きながらペースダウン。どうもこの頃からか、我チームの紅一点が、沢で身体が冷えたのか、途中3回も道端に有機肥料を撒いてしまった。 スタートしてから、林道を15分程度登った後は、林道を下り、小路の分岐でチェックポイント。ここからは、ダムの上流らしき景色を眺めながら落ち葉に覆われた小路を気持ち良く下り、沢登りStageの取り付きを経て、このStageを終えた。終えてみると、下り、平地が主だった事も有って、残り少ない体力を少しは温存して終わる事が出来たのが救いだった。


正念場
最初からこのStageが、正念場と自分では決めていた。7月の100kmMTBレースで走って知っているだけに、気を引き締めて行かなければと、2人にも注意し、もちろん自分自身に言い聞かせスタート。ダムを過ぎた辺りから、不安定な路面 に無駄な脚を使いながら何とか登り切ると、そこは前のレースでは見なかった、いや、見る余裕がなかった景色に感動ものでした。途中、乗鞍岳を望み、目の前にそびえたつ御嶽山を眺めながら一瞬ではあったが疲れを忘れさせてくれたような気がします。下りに入ると、前回、不意のパンクに見まわれたコースだけに、恐る恐る下る始末。ここで一瞬ひやぁっとさせられた!我チーム紅一点が下りで転倒してしまった。
少し傷は負った様だったが、その場は興奮していたせいもあって、すぐにレースに復帰してくれ、胸をなでおろした。 そうこうしながら、何とか大きなトラブルも無くこのStageを終える事ができた。 ここでは、最後まで紅一点を引っ張り続けてくれたチームメートと、怪我にも耐えて最後まで頑張ってくれた2人に心から感謝の気持ちで一杯でした。


最終Stage
ここまで来たら、後は這ってでもゴールするぞって全員の気持ちが一致。最終ゴールへ向けスタート。
第2Stageの沢とは違い、いかにも下流の沢らしく、広くてそれほど深い所も無く快適な沢歩きを楽しめるはずが、どうも紅一点の膝が痛み始めた模様。MTBで転倒した際に、膝を捻挫したらしい。何とか“だましだまし”で、ゴールに辿り着いた。ところで、「だましだまし」って意味判る? いつもの事だけど、ゴールの瞬間って、今までの辛かった事、痛み等全てを忘れさせてくれ、安堵感が身体全体を包んでくれる。これって最高のひとときですよね。


クラブ紹介
我がクラブは、昨年から某有名X-Adventure Raceを目標に発足し、カヌー、MTB、クロスカントリースキー、山岳レース、トライアスロンと色んな分野から人を集め活動を始めました。現在は、ほぼ全員が同じ会社に勤める同僚で活動しています。とは言っても、会社のクラブとは違い、全く制約を受けない自由な組織です。
従って、興味のある人なら誰でも、何時でも何処から(出来れば三重県周辺)でも歓迎です。
興味のある方は、
クラブ名:Nature Eco Act.虚無・・・最後の漢字は、きょむではなくコムを読む
代表者:三ッ俣 健二
発起人:井口 信吾(私)
URL :http://isweb28.infoseek.co.jp/sports/untiku/ を覗いて見てください。(注、更新は遅い)
井口 信吾