セルフ セルフディスカバリー
クロスマウンテンバイク参戦記
仁賀谷 伸彦

 <SELF-DISCOVERY ADVENTUREレポート> TRANSCEND 男組 仁賀谷伸彦さん


前年のプレ大会からは本当に大きな大会となった今大会。前年16チームだった参加者は予定の50チームを大きく超える63チームに。参加者も8月に北海道で行われたサロモンの大会に参加し3位 で入賞したプロチーム「EAST WIND」をはじめトライアスロンオリンピック代表細谷はるな擁する「TEAM TRANSCEND」、MTB世界選手権代表、MTBオリンピック代表小林可奈子を送りこんできた「TEAM A&F BRIKO」などトップは豪華な顔ぶれ。一方、本当に大丈夫か?というような初心者軍団も参加するなどこの新しいスポーツの裾野の広がりを感じ始める今大会である。

スタートは朝6時、前日今秋一番の寒気が入り込んだ影響でスタート時気温7度と晩秋に近い寒さの中第1ステージのMTBに挑む。コースは王滝村滝越地区をパレード走行したあと、最高標高1500Mのチェックポイントを通 過し三浦ダムへ至る約15KMのコース。標高差は500Mあり、早朝の動かない体にはハード。
途中標高1200M付近までは路面も整備された走りやすい林道が続くがその後の立ち入り禁止区域からはまさに「かかって来い」と言わんばかりのハードパックの路面 が続く。しかし、登りも中盤を抜けたころ朝日とともに霧の中を抜け我々は天上人となった。雲に抜け出たおんたけを眺めながらのヒルクライムはこの世の贅沢としか言いようがない。標高1500MのCP(チェックポイント)を抜けると得意の下りセクション。
トランジッションのあるダムまで一気に標高差300Mを下る。途中いくつかのチームをパスしながらパンクもなく無事1STステージを終了した。


15分のブレイクタイムのあと、第二ステージは「リバートレック」。昨年は「川下り」だったが今年は「川登り」ステージ。今回も伝家の宝刀「GEL FUJI」で川そしてその後のランニングに挑んだ。まず2KMほどランニングのあといよいよ川に入ると例年より水量 が少なく、今夏の渇水さわぎを思い出した。9月になって結構雨は降っているのに森の涌き水はなかなか出てこないみたいだ。川底の岩にも苔が付着し滑りやすくなっている。
他の参加者にきいても川で結構滑って打撲した人は多かったみたいだ。僕らはその水量 の少ないおかげでペースがあがり昨年よりもかなり時間を短縮できたので予想外の出来にほっとした。


第3ステージはトレイルランニング。川からあがってまた三浦ダムへ向かう15KMほどの道のり。このあたりから気温も上昇し、走るごとに体が動き始める。路面 はさほど荒れていない分、スピードレースになり特に冷えた脚に長い下りのランニングはこたえる。トップのチームは別 にしてこの区間で脚にきた人は多いはず。
さらに三浦ダム周回のコースに入ってからはフラットで快適だがハイスピードのレースに。ランニングの得意なチームに途中何度も抜かれながら前のステージで捻挫負傷したチームメンバーの太田は激痛に耐えながらの過酷なステージだった。


そしてこのレースの正念場、第4ステージのMTBに突入。総延長30KM、標高差500Mのタフなコースはランニングで疲れた脚を徹底的に酷使する過酷な状況。ピークへの登りの途中、あちらこちらのチームで一人、二人遅れるケースが続出、まさにこのレースがチームスポーツであることを再認識させられる。
途中、木曾おんたけのすばらしい姿を背景に記念写真をとりながらハードな路面 を黙々と踏みつづけた。中間CPの印象的な峠を超えるとあとは水交園までひたすら下りでバイクのテクニックが問われる。我がチームは下りで痛恨の二度のパンクが発生し時間を10分ほどロスしたが総合順位 に大きな変動はなく3人そろって無事水交園までたどり着くことができた。


第5ステージはかわのぼり&ランニング。ここまで70KMを走破してきた体には思いのほかウエットスーツでのランニングがきつい。たかが3KMほど登ってくるのに50分もかかってしまう。直射日光をうけての熱さも加わりこれまたペースダウン。そして最後、3KMほどオンロードを走って暖かい声援を受けながらゴールイン。

昨年は第5ステージへ入る前に制限時間を超えたため本当の意味でのゴールを2年越しで達成できたことになる。トップがゴールしてから約2時間、8時間2分、総合16位 でのフィニッシュは満足できる結果だった。