スノーフィールド・アドベンチャーレース・イン・白馬
参加レポートByクラブ・イーストウインド・雪だるま
廣田さんのレポート
2004年新たな挑戦(無謀?)!!の巻
 スキーの経験がほとんどない福岡出身の私には、冬の王滝はレベルの限界を超えていると判断し見送ることにしました。本大会のスキーはXC、これまた経験はありませんが、エンデュランス系競技が大好きな私、冬のエンデュランスと言えば“XCスキー”かな?今までテレビ観戦等を通じて興味がある競技の一つではありましたが、自分の中では始める切っ掛けとなるには敷居が高かったのですが、あるステージが起爆剤となり“この機会にやらねば何時やる!”“これは挑戦するしかない”と奮起して参加を決心しました。

第1ステージ:MTB(10km)
 待ちに待った雪上MTB。このステージの設定がなければ、本大会に参加することもXCスキーを始めることもあり得なかったと断言できます。
ファ〜ァン! 聞き慣れた音色の合図でスタート。あれ、定番の真っ黄色のパワーバー・カーの先導がない!視覚的にも“気合いが入らないな〜”と、物足りなさを感じつつ雪上のコースへ漕ぎだす。しかし、スタート直後の登りで我が肉体からイエロー・カード!が、準備に追われてアップを十分に行わなかったための警告でした。とりあえず体が温まる迄、アップとして第1ステージを無理せずファンライドに徹することにしました。しかし、慣れない寒さのため思うように体は暖まらず、2周目の終了間際になって漸く体が暖まってきました。
コースの状況は、MTBで走るのにも十分な道幅に、小刻みにアップダウンとカーブが続くコースで、誰もが楽しくMTBを走らせることができたのではないかと思います。


第2ステージ:XCスキー(10km)
 最も実力・技術力の差が出るステージ(大会参加を躊躇された方、スキー超初心者の自分が完走できたので臆する事なかれ)
頑張ってもがけば10キロは、何時かはゴールできる距離だろうと超楽観的な考え方…(XCスキー競技者の方、スミマセン)。しかし、全くの初めてでは多大なご迷惑をお掛けすることになるのではないかと、1週間前の草津のイベントで生まれて初めてXCスキーに挑戦しました。この程度のレベルでの無謀な参戦!でした。(因みに板はスキー用で参戦です。スタイルだけはW杯級)
雪面の状態はガリガリ、昨夜の丁寧なワックス掛けの効果?単に技量の問題でしょうが、スキー板は前には滑らず、後ろと横には良く滑る状況で、コース入口の登り坂から悲惨な状況に晒されることとなりました。スキー板がかき氷機のようにガリガリと音を発てて意図しない方向に滑っていく状況の中、ポールで後ろに下がろうとする体を支えつつ一杖一歩、一杖一歩、スキー板を前に運ぶ状態で滑?っていました。最初の坂を登りきると緩いカーブの下り坂になりますが、早速、ここでお約束の転倒。“止まらネ〜!”“曲がらネ〜!”“板が暴れる〜っ!”状態をコントロールできる技量は、持ち合わせていませんでした。なんせ、我が人生の歴史にスキー経験は2回、XCは始めてから1週間、この程度のキャリアでコントロールできるはずがありません。ましてや、このコースはオリンピックコース!コース断面図を観ると、上りと下りの勾配が半端ではありません。特に約3キロ手前の下り左カーブでからは、これまたお約束の転倒の連続!ついでに曲がりきれずに未整備の雪の中をバックカントリー状態のコースアウト!というように、悪戦苦闘しながら無事1周目を滑り終えることができました。2周目に入る頃には、日向の雪面は柔らかくなり、幾分滑りやすくなってきましたが、日陰の雪面は、まだガリガリ状態で悪戦苦闘は続きました。
何度ともある登り坂の途中、スキー板を外して持って歩いた方が楽にかつ速いペースで登れるのではと考えましたが、結局はそのまま登ってしまうことになりました。
いつも参戦しながら苦しい時に考えてしまうのですが、「何で、高い参加費まで払ってこんなに辛いことをするのだろう?今止めれば楽になるのに」と、脳裏をつまらないことが横切ります。その答えは、走り続ければ一瞬の風景や完走後に自分自身で回答を導くことができる簡単な内容なのですが…。とにかく前へ!前へ!進むこと考えて、板との格闘が続きました。
来年は、もう少し精進してから参加します。


第3ステージ:スノーシュー(5km)
 自分のイメージでは、技術をあまり必要とせず、根性だけが必要かと。
幾度と転倒しながらも第2ステージを完走した満足感で満たされた状態で、スノーシューを装着しスタート地点へ移動すると、宿泊先(久平荘:白馬ペアマッチの時も利用)の白馬村一美人の女将さんと可愛いお子様が応援に駆けつけてくださり、慣れないスキー操作に下半身は制御不可能に近い状態でしたが、思わぬ声援によって新たなエネルギーがチャージされ、勢いよく最終ステージへ向けて走り出すことができました。
唯一整備されていないコースを走る最終ステージ。走り、歩きを繰り返しながら「冬の王滝の大会は、これ以上に楽しいだろうな〜?」、「危険だろうけど白馬のペアマッチでスノーシューのステージがあると楽しいだろうな〜?」と次のイベント参加のことを考えているうちに、徐々に集中力が途切れ始め、スノーシューの爪先を引っかけ斜面を大前転!またまた、頭から雪まみれとなりました。トレランなどで転倒すると、肉体的にも精神的にもダメージを受けるものですが、雪上では童心に返ったように笑顔で「面白か〜!」と叫んでしまいます。
4キロ過ぎの最後の登りを登り切るとXCスキー・コースと合流します。ここからゴール地点のメイン会場を一望でき、不思議と「やっと終わりか」という気持ちより、「もう少し遊んでいたい」という気持ちが自然と湧き上がってきました。
トラック入口の斜面から最後の力を振り絞ってラストスパート。確かに初めての雪上レースに肉体は限界に近い状態でした。しかし、頭からは“苦しいか〜、きつか〜”という信号ではなく、“楽しいか〜”信号が体中に発信されているため、自分でも顔は喜びで満たされていることは、鏡を観なるまでもなく感じることができました。この充実感をどのようにゴール後にアピールしようかと考えてしまい、ゴール・ゲートをヘッドスライディングで通門してしまいました(ルール違反だったら御免なさい)。
思い起こせば一昨年前、体調を崩して全く運動ができなかった期間を挟んで、パワースポーツのイベントに参加して3年、計6回目にして、初めて完全燃焼できた満足感と心地よい疲労感で満たされた体に、XCで泣かされた雪面も日射で少し柔らかくなり、心地よい状態で暫くこのまま伏せていたい気持ちでした。


お礼
 レース終了後、XCスキーのプライベート・レッスンを快く引き受けてくださった、チームあづみのの藤井様、村田様(記憶があいまいで申し訳ありません)ありがとうございました。この場をお借りしてお礼させて頂きます。
 パワースポーツさんのイベントは、レース中の参加者同士の助け合いや交流が自然な行動としてできる心暖かい雰囲気があり、参加者として大きな魅力の一つであることを再認識しました。このような雰囲気を今後とも大切にしていきたいと思います。


POWER BAR