フリークライミング日本選手権 横浜ロックマスター2005

JFAクライミング日本選手権
『横浜ロックマスター2005』開催リポート

 今年で4回目となる「横浜ロックマスター」。会場は昨年と同様クイーンズスクエア横浜クイーンズサークル。今年からJFAクライミング日本選手権となり、国内の頂点を目指すフリークライマーたち(男子35名、女子12名)が結集し、名実ともに国内最大規模の大会となった。3月26日(土)は女子予選、男子予選。そして、3月27日(日)は男子セミファイナル、女子ファイナル、男子ファイナル、そして男子スーパーファイナルの順で行われた。


 男子は昨年今大会で優勝した佐川史佳選手、2004年ジャパンツアーランキングで佐川選手とトップを分け合ったベテラン篠崎善信選手、若手ホープの柴田晃一選手や安間左千選手の活躍が期待された。結果はファイナルでは決着がつかず、昨年今大会4位の小澤信太選手と篠崎善信選手2名の完登者(ファイナルルートで一番上まで登ったクライマー)によるスーパーファイナルに持ち越された。スーパーファイナルで見事なパフォーマンスで接戦を制し、日本のトップクライマーとなったのは小澤信太選手。僅差で敗れた篠崎善信選手は準優勝。圧巻は3位となった15歳中学生クライマー安間佐千選手だった。


 女子はなんと言ってもジャパンツアー17連勝中の17歳小林由佳選手が最有力。そして成長著しい15歳の野口啓代選手。昨年今大会準優勝の真達朋子選手に注目が集った。結果は、ファイナルルートただ一人完登した小林由佳選手が優勝。18連勝を成し遂げた。あと一歩のところで完登を逃した野口啓代選手が準優勝。3位は真達朋子選手だった。


 今年は高校生、中学生と若手クライマーの活躍が多く見られ、男子優勝小澤選手は19歳、女子優勝小林選手は17歳。この両名も、もはや若手ではなく中堅のクライマーといえよう。また、ベテランクライマーの活躍にも目を見張るものがあり、若手、中堅、ベテランが共存する今大会を見ると、これからのクライミングシーンがとても楽しみだ。


 今年も屋外エリアのクイーンズパークでは、アウトドアスポーツジャパンということでアウトドアスポーツメーカー「ザ・ノースフェイス」「パール金属」やスポーツ市場に進出する「ワコール」、そして、アウトドアスポーツ販売店「アートスポーツ」「カモシカスポーツ」「ミナミスポーツ」のブースが立ち並び、アウトドアスポーツに興味を持った方々が数多く立ち寄った。また、クイーンズパーク中央エリアには巨大な体験クライミングウォールが出現。子供から大人まで約300名がクライミングの楽しさを体感した。また、日本丸メモリアルパークではカヌーショー2005が同時開催され、日本有数のカヌーメーカーがここ港・横浜に集結。初心者でも楽しめるカヌー試乗会には多くの人たちが列を作っていた。


 天候に恵まれ、そして春休み期間ということもあり、大会期間中クイーンズスクエア横浜に訪れた人は8万人といわれる。横浜ロックマスター会場のクイーンズサークルでは、クライマーたちの最高のパフォーマンスを一目見ようと、多くの人たちが立ち止まり、声援を送った。参加したクライマーは、足を止めていただいた観客の声援に応えるよう、日頃厳しいトレーニングに耐え今大会に挑んできた。クライマーと観客の一体感。主催者はクライマーの成功の雄たけび、そして大きな歓声。この手に汗握る感触と身震いを味わいために、早速来年の開催に向けて準備をしたい。





■2005年3月26日(土)
12:00〜14:00 フリークライミング 女子予選
15:00〜18:00 フリークライミング 男子予選
■2005年3月27日(日)
10:00〜13:00 フリークライミング 男子セミファイナル
13:00〜14:00 フリークライミング 女子ファイナル
15:00〜17:00 フリークライミング 男子ファイナル
18:00 アワードセレモニー

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