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コラムNO.76「座間味島での事故」

 パワースポーツが運営する大会として、初めての死亡事故が発生してしまいました。6月19日(土)に開催しました「RWS・イン・座間味」という海での水泳大会でのことです。開催概要はこちらをご覧ください。死亡事故は、その日の午後、阿真ビーチで開催しました4名1チームで無人島と無人島を襷(スイムキャップ)で繋ぎフィニッシュを目指すという人気の「無人島スイムエキデン」の競技中の事でした。スイムエキデンは1チームに1艇のカヤックがつき、安全を確保しながら泳ぐ、言わばマンツーマンレスキュー体制の競技です。

 死亡された方は第三区(0.8km)担当の泳者で、事故発生は残り約100mというところでした。泳者はマスターズでも常に上位に入る競技レベルの高い方でした。チームを担当するカヤッカーが、泳者の唇が青ざめかけているのに気づき、ライフセーバーを呼んで浜に上げる、その所要時間は異変から1分と掛かりませんでした。浜では医師が2名、看護医師1名待機しており、ライフセーバー2名の計5名で心臓マッサージ、AED、注射など、緊急時、そして離島という状況で、考えうる全ての手段を施しましたが、残念ながら亡くなってしまいました。参加チーム38チームに対してカヤッカー33名、ライフセーバー8名、救助艇4艇、ダイバー4名という安全対策を取ったとして防げなかった今回の死亡事故です。

 死亡原因は「冠状動脈狭窄による急性心機能障害」というものでした。冠状動脈狭窄というのは、通常の身体検査や人間ドックでは見つけられにくく、自覚症状も現われにくいそうです。ということで健康と思っている人でも、冠状動脈狭窄になっている人はかなり多く、今回の事故に会う確立も低くはないそうです。この事故を防ぐには個人の自己管理が全てだそうです。毎日のトレーニングで「鼓動が激しくなる。息が切れる。」などの症状がでたら医者へ行って診てもらう、競技中、いつもと違う自分に気がついたらリタイヤする。無理しないことが一番の対処策だそうです。

 今回私は事故発生から事故処理まで目のあたりにしました。泳者が浜に運ばれ心臓マッサージ、その後、心停止が確認されご遺族に連絡。夜、警察に頼み込んでご遺体とともに警察艇に乗せてもらい、ご遺族を空港で迎え、事故報告をしました。そして警察で遺体安置所へご案内させていただき、その後、宿泊場所へ。翌朝、ご遺族と供に琉球大学解剖室で死因を検査し、その結果を一緒に聞きました。そして警察へ行きご遺体を正装し、輸送手続き、そして空港にてご遺族のお見送りをさせていただきました。

  イベントを開催しているものにとって、死亡事故はあってはならないことですが、想定もしていなければならないことです。今回私にとって初めてのことでしたが、ご遺体、ご遺族と可能な限り一緒にいれたこと、そして当たり前のことですが、死亡事故という重い事実に正面から応対できたことは、運営者としての責任、その重要性を再認識することが出来たと思っています。

  オープンウォータースイムの普及、楽しい余暇の提供、地域活性化などを目的として、良かれと思い開催してきた「RWS・イン・座間味」。死亡事故が発生してしまったという重い事実。RWSシリーズではレース前に公言していますが、死亡事故があった場合、レースがもう続けられないということ。「RWS・イン・座間味」は今年で終了になるかもしれません。RWSシリーズ全体も見直さないといけないかもしれません。

 運営者、開催地など関係者たちが万全な安全対策を施すことはもちろんですが、参加者も危険が伴うアウトドアスポーツということを認識して、ご自身だけではなく、ご家族も行っている競技を認識してもらう必要があるかもしれません。

  お亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。

RWS責任者 滝川 次郎

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