OSJ KOUMI100


レポート

大会受付

 2022 OSJ KOUMI100、今年も受付は松原湖高原スケートセンターだ。コロナ禍にも負けず、2020、2021年も大会を開催しており、多くの100マイラーに愛される大会に成長している。2021年大会は晴天に恵まれたが、今年は受付日こそ天候を維持しているが、レース当日は夕方から雨予報となっている。レースの準備の為、受付後、早々に宿に戻る選手もいれば、セルフエイド用のテント設営の為、設営開始の17時30分を待つ選手の姿も多数見られた。

大会当日

 大会当日、10月9日の朝5時、いよいよ約175km、36時間の長旅が始まる。スタート前に昨年の女子の覇者、大淵選手から「淡々と進むのが完走の秘訣」と言う言葉があり、レースがスタート。淡々と進むか、夕方からの雨を考慮し、序盤でタイムを稼ぐか、戦略が分かれる展開となった。

 1周回を終わって最初に戻ってきたのは、根津一夫選手。3時間50分を切る好タイム。続いて東条叙宏選手が30秒と変わらないタイム差で続く。スタートから4時間ほど経つと上位を狙う選手がぞくぞくと戻って来る。
 2周回目が終了した段階でトップに立ったのが柳澤匠選手だった。そして、柳澤選手が3週目の終盤に差し掛かった頃、いよいよ雨が降り始めた。予報では長くは続かない雨予報だったが、この予報は裏切られる結果となった。夜間になっても降り続けた雨は選手の体温を奪っていった。さらにはトレイル区間の下りが非常にスリッピーな路面と化し、選手を苦しめた。この雨の影響か、約7割の選手がリタイアする結果となった。

 雨も小降りになった翌10日の明け方、トップの柳澤選手がペーサーの下家選手と松原湖高原スケートセンターに戻って来た。「2021年大会は4位で終わり、悔しかった」、と表彰式の時に話していたが、見事に昨年のリベンジを果たした。2位には矢崎智也選手、3位には岡田裕也選手が続いた。

 長い夜が明け、半日近く降っていた雨がようやく止んだ。雨が止むと同時に、風が強くなった。幸いだったのが、この風が南風だったことだ。気温は20℃近くまで上昇し、凍えた選手には助けになったと思う。また、今大会では松原湖高原スケートセンターのエイドでは久しぶりに地元の小海蕎麦が振舞われた。選手だけでなく、応援者にもお蕎麦は振舞われ、寒かった夜間は多くの人が口にし、体を温めていたのが印象的だった。選手には、本沢温泉・稲子湯の両エイドでも温かいものが提供され、選手は活力を得ていたと思う。

 一方、女子は前回大会優勝の大渕千鶴選手が一度もトップを譲ることなく、フィニッシュした。最後はさすがに疲れたのか、ペースを落としたが、総合でも20位に入る力走だった。2位には鎌倉明子選手が入賞。3位は吉田ゆかり選手と言う結果となった。女子の完走者は入賞した4位、甲斐愛子選手、5位、西木径子選手まで。男子でも完走が難しいKOUMI100での完走には敬意を表したい。

 そして、大会もいよいよフィナーレとなる。今年のスイーパーは、2020年優勝、2021年準優勝、KOUMI100の顔とも言える白川裕登選手が勤めた。再び日が落ち、暗くなった松原湖高原スケートセンターに最後の選手が白川選手と戻って来た。関門時間には間に合わなかったが、見事に175kmを走り抜いた。完走率、わずか31.5%の厳しいレースとなった2022年のKOUMI100。完走を目指し挑戦した全ての選手、長時間に渡り大会を支えて頂いた小海町役場、ボランティアスタッフの皆様に感謝したい。

文/稲村 淳
【リザルト】
総合男子 総合女子
総合順位 氏名 記録 総合順位 氏名 記録
1

澤柳 匠 22:41:49 1

大淵 千鶴 31:03:03
2

矢崎 智也 24:54:10 2

鎌倉 明子 34:00:26
3

岡田 裕也 25:07:39 3

吉田 ゆかり 35:23:33
4

戸田 良樹 26:20:22 4

甲斐 愛子 35:26:32
5

喜多村 晃仁 26:38:55 5

西木 径子 35:44:10
■出走人数:345名 / 完走者:109名 / 完走率:31.5%


photographer Ren Gomi