OSJ 新城トレイル11K


レポート

 愛知県新城(しんしろ)市。市域の8割以上が森林というこの地で行われるトレイルランニングレースが「OSJ新城トレイル」だ。
 なかでも初日に行われる「OSJ新城トレイル11K」は、2022年OSJトレイルランニングレースシリーズの開幕戦でもあるのだ。

 3月26日(土)午前10時、今は降っていないが、午後から大雨になるという予報のなか、「愛知県民の森 モリトピア愛知」前から428名のランナーが一斉にスタートした。

 スタート直後、ゆるやかな林道を3kmほど走ると、シュートン沢の登山口に到着。すぐに急な上りが始まるが、ここからしばらくは道幅が狭く、ランナーの大渋滞が起こる。この渋滞がちょっとしたストレスだが、何とかここを切り抜け、アップダウンを繰り返すと、北尾根の尾根道に出る。大幸田峠を経由し、唯一のエイドがある宇連山分岐点から下って西尾根に入り、南尾根を経て、スタート地点の「モリトピア愛知」に戻るというのが、ざっとしたコースだ。
 完走率は例年95%以上を誇るが、だからといって侮ることなかれ。急登に次ぐ急登に、大小の岩がゴロゴロと積み重なったガレ場、木の階段、スリル満点の岩場の下りなど、終始、集中力が試される11kmでもあるのだ。

 スタートから1時間14分、トップで入ってきたのは工藤祐輔選手。2位の東翔太選手とは4分の差をつけてみごと優勝。昨年のディフェンディングチャンピオン栗原孝浩選手は3位に終わった。
 一方、女子の優勝は昨年の覇者、大掛香織選手。タイムは1時間30分53秒。2位は佐野亜弓選手、タイムは1時間32分28秒。3位と4位には女子の優勝を果たした大掛選手の娘さんで、12歳の双子の大掛莉奈選手、大掛柚奈選手がそれぞれ入った。
 「11Kの参加資格が12歳からで、子どもたちが12歳になった記念に参加しました。2人には事前に『このコースはきついからね』と伝えていました」とは、お母さんの大掛香織選手の弁。
 表彰台に親子が同時に並ぶというのは、OSJのトレイルレースの中でも初めての快挙ではないだろうか。

 さらに、この日、小学生対象の「OSJ新城トレイルキッズ」レースも同時開催された。
 前回から始まったこのレース、小学1~3年対象の1kmレースと、小学4~6年対象の3kmレースがあり、合わせて約90名の子どもたちが参加。1kmのレースでは、スタート直後にひとりの子が転んで、その後ろをいく子どもたちも次々とつまずき、団子状になって、というアクシデントもあったが(そして、なぜかシューズが1足だけ取り残された)、何とか無事にスタートした。
 今年からシングルトラックのコースも新設されたトレイルを走る子どもたちは元気いっぱい。この中から将来の11Kの優勝者が出るのでは、と予感されるレースとなった。
 ちなみに、1km、3kmともに完走率は100%。今後、全国各地でこうしたキッズトレイルレースが増えていくのに違いない。

取材・文/高橋 寿子

【11Kリザルト】
総合男子 総合女子
総合順位 氏名 記録 総合順位 氏名 記録
1 工藤 祐輔 1:14:39 1 大掛 香織 1:30:53
2 東 翔太 1:18:38 2 佐野 亜弓 1:32:28
3 栗原 孝浩 1:19:28 3 大掛 莉奈 1:32:51
4 佐藤 あきら 1:19:55 4 大掛 柚奈 1:33:52
5 近藤 誠也 1:20:09 5 水口 麻美 1:40:58
■DATA/出走者数428名、完走者数419名(完走率97.8%)

【キッズ1kmリザルト】
総合男子 総合女子
総合順位 氏名 記録 総合順位 氏名 記録
1 平野 真絆 0:06:10 1 神谷 結愛 0:06:36
2 山田 士恩 0:06:19 2 舩久保 結衣 0:07:17
3 橘 昊輝 0:06:22 3 高橋 マイラ 0:07:41
4 上村 斗李 0:06:41 4 満澤 春佳 0:07:46
5 竹村 諒陽 0:06:49 5 渡辺 さくら 0:07:54
■DATA/出走者数48名、完走者数48名(完走率100%)

【キッズ3kmリザルト】
総合男子 総合女子
総合順位 氏名 記録 総合順位 氏名 記録
1 新井 結士 0:11:48 1 神谷 愛海 0:12:41
2 松永 惟吹 0:11:52 2 生野 奏和 0:12:43
3 小澤 逸己 0:11:58 3 夏目 恋李 0:12:54
4 鈴木 レオナルド 0:12:00 4 村井 愛佳 0:14:05
5 清水 強吾 0:12:01 5 岡本 莉来 0:14:10
■DATA/出走者数39名、完走者数39名(完走率100%)

11K



キッズ1km / キッズ3km



photographer Akihiko Harimoto