選手受付日、100mileスタート

大会名が「おんたけウルトラトレイル」の頃から通算13回目を迎えるONTAKE100。
天候に翻弄された2022年大会と打って変わり、今年の大会期間中はまずまずの天気予報となっていた。
ONTAKE100は毎年、海の日の3連休に開催されている。好天＋3連休と言うと心配されるのが高速道路の渋滞だ。例年であれば受付を早く済ませたい選手が受付開始前に受付ブース前に列ができ、出展ブースに立ち寄る選手の姿が多く見られるが、今年はその数が少ない。初の試みとして、一部の選手がおんたけスキー場での受付となっていたが、それでも人出が少ない。後からわかったことだが、高速道路の渋滞が東京・名古屋方面ともに発生していたことが原因だった。これから長いレースが始まるのに「スタート前から疲れた…」、と言った声もチラホラ聞こえて来た。
高速道路渋滞の為、受付時間も延長されていたことから、気が付けば100mileのスタート時間20:00が迫っていた。御岳神社の宮司様より恒例のお祓いを受け、2023 OSJ ONTAKE100の100mile部門がスタートした。

100kmスタート

100mileのスタート後、一度静かになった松原スポーツ公園が再び賑やかになり始めるのが100kmの選手の手荷物預かりを開始する22時45分頃。今年は100kmで過去最多の1,400人を超える選手のエントリーがあり(出走は1,100人強)、整列した選手の列もグラウンドに長く伸びていた。
開会式の際中に雨が降り始め、肝を冷やしたが、この雨はスタート直前に止み、選手達は元気に松原スポーツ公園をあとにしていった。

100kmの選手がスタートし、再び静かになる松原スポーツ公園だが、1時間もすると100mileの選手が最初の周回を終え、松原スポーツ公園に戻って来た。最初に戻って来たのは中根孝太選手。50km以上走って来たとは思えないほど軽快な足取りだ。2番手に荒川純選手、3番手に山本涼馬選手が続く。
100mileの第一関門の制限時間(4:30)を迎える時間帯に今度は100kmのトップ選手が松原スポーツ公園に戻って来た。志村史雄選手だ。
夜が明け、続々と100kmの選手が松原スポーツ公園に帰って来る。そして、夜明けと共に気温も徐々に上がり、この気温上昇が選手を苦しめることになった。
結果として、100kmの完走率は66.5％、雨が降り続いた昨年が72%。100mileは今年が37.9%、昨年が41％、単純に気温だけが理由とは言えないが、大きな要因となったことは間違いないだろう。

暑さに耐え、最初にフィニッシュテープを切ったのは序盤から100kmのトップ争いをしていた志村史雄選手だった。タイムは9時間47分48秒。2位に昨年の覇者、万場大選手、3位は小野寺祐太選手がフィニッシュゲートを潜った。
女子は冨澤いずみ選手が優勝。山中温泉トレイルに続き、2連勝となった。2位は金原佳代子選手、3位は境なつき選手と続いた。

100mileは序盤から先頭を走った中根孝太選手がそのまま後続を引き離し、16時間55分30秒で2023年、100mile部門のチャンピオンとなった。2位、荒川純選手、3位、山本涼馬選手が序盤からの順位を守り、上位入賞となった。
女子の100mile完走者はわずか4人。ただ、4選手共に過去のONTAKE100で入賞経験を持つ強豪選手が入賞した。1位、内山みちこ選手、2位、河原愛美選手、3位、井上千鶴選手、4位、國分さやか選手が完走・入賞となった。

日が落ち、暗くなってからも100km、100mileを走り切り、フィニッシュを迎える選手が続く。
ガッツポーズをしながらフィニッシュゲートを潜る選手、フィニッシュ後、その場に倒れ込む選手、自身の限界に挑み、打ち勝った！そんな感無量の表情をした選手が多かった。
そして、100km、100mileともに制限時間内の完走者は残り時間5分を切っていた。
「間に合った～」、そんな表情にも見て取れた。

ONTAKE100の完走を目指し、スタートラインに立った全ての選手の皆様、そして、大会の成功の為、一緒に汗を流してくれたサポータースタッフ、王滝村の皆様にもこの場をお借りして感謝の意を表したい。

また来年、王滝村で多くの選手とお会い出来るのを楽しみにしている。

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