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エントリーリスト・リザルト

OSJと
安達太良山トレイル

 2023年9月3日(日)、OSJ安達太良山(あだたらやま)トレイル50Kレースが行われた。
 このレースは、東日本大震災の前年、2010年に始まった。
 開催のきっかけは、今から13年前、パワースポーツ代表の滝川次郎がトレイルランニングチームの合宿を、福島県・磐梯朝日国立公園の浄土平で行ったことに始まる。そのとき、滝川が偶然、福島県庁の人と会い、いろいろな話をしていく中で、地域活性化を目的としたトレイルランニングレースの開催を提案。その後、とんとん拍子に話が進んで、安達太良山トレイルレースの開催に至ったのだ。
 以下、安達太良山50Kのレース風景が表紙を飾った「OSJフリースタイル通信」vol.48の「表紙のことば」から引用する。

「しかし、翌年の2011年3月11日、東日本大震災が発生。お世話になった福島県に何かできないかと、震災の1週間後にパワーバー8000本、Tシャツ1500枚、飲料360ℓをワンボックスカーに積んで、福島県へと向かいました。震災の半年後の2011年9月に開催予定だった安達太良のレース。会場となる岳温泉は大勢の避難者を受け入れており、震災の痕跡が残っていましたが、安全な福島をPRするためにも、レースを開催することにしました。参加者数は期待していなかったのですが、復興を願って参加してくれたトレイルランナーは177名。スタートの合図とともに、安達太良山に駆け上がっていくランナーたちの姿を見て、涙したことを思い出します」(文・滝川次郎)

安達太良山に続く
5つの登山口を回る

 まだ夜が明けきらぬ早朝、スタート地点のあだたら高原スキー場に続々と選手が集まってきた。
 今回の50Kのレースは、山岳を駆けるスカイランニングの、全日本スカイランニング選手権大会・スカイウルトラ種目の対象レースにもなっていて、黒いゼッケンをつけたスカイランナーたちも集まった。
 4時55分にスカイランニングの選手が、その5分後に赤いゼッケンをつけた50Kの選手342名と、エキデンの第一走者6名がスタートした。
 50Kのコースは、安達太良山に続く5つの登山口を回るようにレイアウトされていて、上っては下り、また上るという、まさに山岳レース。それだけハードだが、変化に富んだコースレイアウトと雄大な景色が選手を迎えてくれる。
 制限時間は15時間。時間によっては夕方から夜になってのゴールになるので、ライトは必携だ。実際、ライトを忘れ、関門の装備チェックにひっかかって、泣く泣く失格になった選手もいた。
 ゴールはスタートと同じあだたら高原スキー場。さて、何人の選手が制限時間内に帰ってくるのか。

優勝は
地元福島の選手

 50Kトップで入ってきたのは、地元福島の戸田良樹選手。タイムは7時間50分48秒。戸田選手がトレイルの大会に初めて出たのが、安達太良10Kの大会。そのときは「こんなコースを50Kも走るネジのゆるんだ人もいるんだな」と人ごとのように思っていたという。それが10年あまりたった今、その50Kで優勝。人生、わからないものだ。
 制限時間30秒前に219番目の選手がゴールして、レースは終了。前日の10K、そして今日の50Kと、両日ともお天気に恵まれ、安達太良のコースを満喫した2日間が終わった。
 来年も福島に、岳温泉に、安達太良山にぜひ来てほしい。そこには、素晴らしい景色と、素晴らしいお湯と、素晴らしいおもてなしが待っているのだから。

取材・文/高橋 寿子

【2023 OSJ安達太良山トレイルレース50Kリザルト】
男子 女子
総合順位 氏名 記録 総合順位 氏名 記録
1 戸田 良樹 7:50:48 1 荒井 珠美 9:51:09
2 工藤 祐輔 8:10:31 2 武市 香里 10:07:38
3 杉本 大治 8:11:34 3 冨澤 いずみ 10:11:39
4 中居 恭平 8:31:26 4 小幡 真紀 10:50:49
5 鳴瀬 悠 8:39:58 5 畠山 望美 10:51:38
■出走人数342名、完走者数219名(完走率64.0%)  

【2023 OSJ安達太良山トレイルレースエキデンリザルト】
エキデン
総合順位 氏名 記録
1 飯能ヤマノススメ連合 9:19:36
2 安達太良自然センター 9:25:26
3 東北大学院試合格祈願 10:08:35
4 めがねとすぱな 11:26:23
5 桃色吐息 11:42:37
6 Team大都会 11:51:34
■出走チーム数6チーム、完走チーム数6チーム(完走率100%)


photographer Akihiko Harimoto